CMH本社のHPには、ヘリスキー・ヘリハイキングにまつわる様々な秘話や、tipが掲載されています。これから、何回かに分けてそれらのストーリを翻訳したものを、このブログで紹介しようと思います!何かご質問などあれば、お気軽にコメント欄にてお尋ねください。

第一弾は、ヘリハイキングの誕生秘話。CMHの創業者であるハンズ・グモーザーが当時を振り返り、残したストーリーです。

皆さんもご存知の通り、CMHは冬のヘリスキーだけではなく、夏は同じロッジを使ってヘリハイキング/サマーアドンベチャー のツアーも行なっています。

ヘリコプターで移動をしながらハイキングをするので、自分の足ではたどり着くことが困難な場所へもアクセスすることができます。ごっついカナディアンロッキーからそれを彩る野花、何千年と続く壮大な氷河まで、表情豊かな山々を誰でも楽しむことができるのがこのツアーの魅力だと思います。

これを読むと、夏のヘリハイキングに行きたくなること間違いなしです・・・!

<バガブース/ 弊社スタッフ撮影>

<カリブース/ 弊社スタッフ撮影>

この話は、当初聞き入れられることもなく、実現しそうになかった素晴らしいアイデアについてである。 この素晴らしいアイデアに対して、最初何もしようとしなかった私の責任は重い。

1977年4月、一本の電話が有った。その男は、アーサー タゥクと名乗ったが、知る由も無かった。男は、カリブースで1週間ヘリスキーを楽しんで、ロッジもスタッフも素晴らしくてとても良かったと話し始めた。私は丁寧にお礼を言い、また来て下さいと伝えた。 彼が話題を変えて、「ところで、夏の新規事業で協業しないか」と切り出したとき、私は電話を切ろうかと思った。

<ハンズ・グモーザー/ 1963年撮影>

その頃CMHは、夏の仕事を開拓しようと何年か試みていた。乗馬やカヌー、それにバガブースとカリブースロッジ周辺のハイキングを提案し、テニスコートまでも作った。 しかし、結果は毎夏赤字。 1977年には夏の稼働を全部止め、冬の稼ぎを温存した。私は、経費負担になるような事業提案にはもう興味が無かった。

アーサーは、「カナディアンロッキーでバスツアーをしているが、カリブースロッジで2,3泊するツアーを組みたい」と言った。 私は更に興味を失い、検討してまた連絡すると伝え電話を切った。そして彼の話はすぐに私の脳裏から消え去った。

2週間後、またアーサーから電話が有り、私の検討結果を聞きたがった。 私は忙しい最中だったが、一両日中に返事をすると約束した。その時、彼を無視できないと思い、検討してみるしかなかった。

アーサーのツアーでは、ゲストはカルガリーに飛んで、バンフスプリングスホテル、シャトーレイクルイーズ、ジャスパーパークロッジに2泊ずつする。彼はカリブースロッジでの2泊を追加したかった。その2日間に何ができるか考えた末、ジャスパーパークロッジからカリブースロッジにヘリで直接飛んで頂くことにした。一回の飛行で10名、40名のゲストを運ぶには一日かかる。翌日は、ロッジで自然について話をしてからヘリに乗って山を眺めてもらおう。

この様に考え抜いた末、アーサーに電話した。

“そりゃ駄目だ。” 彼は言った、“冬と同じ様にすればいいじゃやないか。美しい場所に飛んで、散策してもらい、そしてまた別の場所に移動すればいい。”

このちょっとしたコメントで、私はひらめいた。


ヘリハイキング誕生秘話パート1-2へ続く
THE BIRTH OF HELI-HIKING: PART 1本文はこちらから