前回に続き、今回はCMHバガブースの魅力とはpart2をお届けします!
まだ、パート1をお読みでない方は、こちらからどうぞ。
バガブースロッジの歴史
カナダの長い登山の系譜と、山奥の歴史を語る上で、バガブースなしで話を進めることはできません。バガブースロッジを唯一無二の存在たらしめる理由の一つに、そのエリアとクライミングの歴史そしてある1人のハイキングガイドによって発展したCMH初期の歴史が詰まっているということが挙げられます。
山岳登山のメッカと称されるこの場所が一体どのようにして、山岳コミュニティと山岳ガイドとしてキャリアを積んできた者にとって、これほどまでに重要な場所となったのかを調べ始めるとその物語に夢中になるでしょう。
「バガブースロッジでは、一つ一つの壁に歴史があります。壁に書かれている絵は、バガブース最初のロッジマネジャーでCMH創設メンバーの妻である、素晴らしい画家Lynne Gromarによって描かれたものです。そして、その絵の下に目線を移すとConrad Kain (オーストリア人登山家でブリティッシュ・コロンビア州に位置する山で60もの新しいルートを開拓した)の写真が飾られています。全ての壁に、現在、そして過去の歴史が並んでいるのです。」とSteenは話す。「ゲストだけではなく、長年バガブースで働くガイドも写真を眺めながら歩いているのをよく目にします。ここにあるのはただの歴史ではなく、私たちと今でも繋がっているバガブースで起こった過去の出来事なのです。」
CMHバガブースロッジ|撮影:John Evely
バガブースロッジは発祥の地
CMHの創設者が手付かずの斜面へ、ヘリコプターで移動しスキーやハイキングをするアイディアを思いついたとき、多くの人が彼らを頭のおかしいやつだと思いました。
けれども、約50年の月日をかけヘリスキー・ヘリハイキングという業界自体を作り上げていく中で、完璧なプロ意識と絶え間ない進化によって、大自然の中で過ごす贅沢と山岳アクティビティを提供するパイオニア的存在となり、そして沢山の人にとって、全てが始まり実現していったこのバガブースを訪れることが、大いなる楽しみとなったのです。
「バガブースは本当に特別な場所なんです。ヘリハイキング、ヘリスキーにかかわらずここはCMH発祥の地だから」とスティーン氏は述べる。「沢山のゲストが家族を、全てが始まった世界で唯一のこの場所へ連れて来たがるんです。他のロッジが好きという方もいらっしゃるかもしれませんが、バガブースには人を惹きつける魅力があるのです。」
バガブースでの山を介した繋がり
バガブースロッジは他のロッジと同様に、そのアットホームなスタイルは最初、ゲスト同士そしてゲストとシニアスタッフが、コミュニケーションを取りやすいヨーロッパの山小屋文化を採用し、CMHの文化として馴染んでいきました。ヴィアフェラータを作った経験豊富な山岳ガイドや、尾根にヘリコプターで連れて行ってくれるベテランパイロットと一緒に飲んだり、夕食を共にしたりするのはなかなか無い機会かと思います。
それと同時に、人里離れた素晴らしい山頂で一日をともに過ごすことで、世界中からやってきた気の合う山仲間とすぐに仲良くなれるのです。日々の忙しさや都会の喧騒から断ち切られ、遠く離れている時だからこそ生まれるこの一体感は、バガブースロッジにある私達が一番大切している雰囲気だと言えるでしょう。
「ゲストがロッジへ到着すると、そこではもうみんな平等です。そして、日常の社会なら社会通念とされるようなことからも解放されるのです。」とSteenはまとめる。「私たちはみんなここで山を体験し、たとえそれが腰を下ろして山々を眺めることであれ、ハイキングであれ、山々を征服し尽くすことであっても、そんな誰もが共に過ごす場が生まれ、時には普段よりももっと自分らしくなれるのです。私はそれをとても得難いことだと感じています。」